まさか自分が
海外赴任するとは。
入社して美濃工場の成形工程で経験を積み、試作品の手ぶき塗装や蒸着・スパッタリングなどの部署長を経て、タイへ単身赴任。5年ほど過ごしたあと美濃工場に戻り、現在は工場長をしています。異業種からの転職組である私は、自分は海外勤務をすることなど、当初は想像もしていませんでした。正直なところ、タイへの転勤の打診があったときにもかなり及び腰でしたから(笑)。でも、出張で現地に行ったら、面白い仕事ができるかもしれないと前向きな気持ちに。赴任するときには、すっかり心構えができていました。
ところが着任早々、既に量産が決まっていた自動車部品に不良品が大発生するトラブルに直面。ピアノブラック塗装を施した大きな部品で、その不良率は70~80%でした。塗装技術を工夫しても、不良率が下がらなかったところ、成形条件を変えたら20%以下にすることができました。言葉もわからないなかプレッシャーはかかりましたが、現地のタイ人スタッフにも信頼を得られ、技術者として大きく成長したように思います。